残念なことに世の中にはお金に対して甘い考えを持つ人がいます。
それは「世の中にはお金を楽(ラク)に稼げる方法があるか?」といった設問に対し「YES」と答えてしまう考え方を持った人のことです。
僕はこの「甘い考え」こそ資産を築く上での大敵で、こうした甘い夢をみることは「人生が詰む」という終着点に向かう危険な道を歩むことでもあると思っています。
人生なんて基本しょっぱいもので、どうせならそんな「甘い夢」をみるよりも「楽しい夢」をみながら地道に蓄財し、資産形成を進め、結果、楽しい夢を実現するのが良いと思っています。
昨今は世間で「闇バイト」なる問題も深刻になるなかその牽制としても今日は最初に「転落人生シナリオ」を開示しながら「世の中にはお金を楽(ラク)に稼げる方法がある」と信じる甘い人の在り方の問題を綴ります。
お金をラクに稼ぐということ
僕が設問にしている「世の中にはお金を楽(ラク)に稼げる方法があるか?」の前提を述べます。
そこでのイメージはおよそ「100万円」といった単位を1カ月ぐらいで「ラクに大金を稼ぐ」を前提にしています。
なので例えばポイ活を誰でも楽に10円を稼ぐことはできますが、そのようなスケールのことは取り上げていません。
またお金をラクに稼げる方法として「お金に働いてもらう」がありますが、それは「正当な投資」のことで信頼できる金融機関を通じて上場株や投資信託を購入してお金を増やす方法です。
なので投資は肉体的な労働や時間的拘束が少ないながらもそれなりに必要な知識やスキルを投入して「リスクを取る」といった精神的努力はあるわけで、投資は楽に稼ぐ方法だという捉え方はしていません。
それに1か月で100万円を儲けるには十分な資産も必要となるものです。
お金をラクに稼ぐという誘い
こうした前提(1か月で100万円を稼ぐ)を念頭にした場合、労働と投資で稼ぐ方法の現実的なラインを考えます。
労働
例えば毎日10時間、月25日猛烈に働いて月100万円を稼ぐには時給は4000円である必要があります。
そんな時給を特殊なスキルや能力なく「誰もができること」で稼ぐことは困難です。
*法的にグレーだったり性を道具にした方法はそもそも除外しています
投資
投資で稼ごうとしたら、月100万円ということは年1200万円となるわけで、年利4%とすると3億円の資金が必要です。(3億円x4%/年÷12=100万円)
つまり3億円の資産家がそこそこの投資(年利4%)のリスクを負って稼ぐ金額ということです。
お金をラクに稼げるというマインドの果て
こうした月100万円を稼ぐ現実のハードルが存在することは少し試算したりイメージすればわかることです。
にもかかわらず「簡単にお金を稼げます!」と時に「月100万円も夢じゃない。誰でもできる」とか「100万円を投資すれば無リスクで倍になる」という宣伝文句や最近は「誰でもできる高額バイト」をSNSで見かけることがあります。
そのような広告を見た時に、世の中の全ての人は以下のいずれか考えを持っています。
それは、
・スキルや経験が無くても誰でも月100万円を稼ぐ方法は世の中にはありえない
・スキルや経験が無くても誰でも月100万円を稼ぐ方法が世の中にはあるはずだ
という2つです。
月100万円を楽に稼ぐ方法なんて世の中には無いというマインドの人は、一般的には、中長期でお金を増やすしか方法はなく、どっしり長期投資を計画的に進めようとするわけです。
ですが一方で「月100万円を楽に稼ぐ方法は世の中にある」と考える人は、そんなラッキーな仕事がどこにあるか、あちこち探しては手を付けようとするわけです。
恐らく1度痛い目にあっても、その考えを変えない限りまた「検索」に走るわけです。
もしかしたら痛い目にあうとそこから脱出しようとさらに「甘い話」にすがることになったりします。
こうしたスパイラルに陥るのが甘い話を信じる「甘い人」な訳です。
その結果、本来の稼ぐ力をキャリアを培わず、楽な方向に流され、どこかの時点で犯罪に手を染めて「社会的信用」を失ったり、マルチに手を出し「友人」を失ったり、あるいはハードな仕事をして稼いで挽回しようと「健康」を損なったりします。
終わりに
なお、どんな人生にしたいかは自分が決めることなので甘い道を進むことを断念しないこともその人の判断ではあります。
ただ判断のオオモトにあるのは「考え方」であって、やはり「世の中には楽に稼げる方法がある」という考え方を保持する限りそこから派生する行動判断は変わりません。
この資本主義の世の中を生きていくうえではあちこちに落し穴があるので、そうした「甘い考え」は落し穴に吸い込むブラックホールみたいなものです。
生きていく先に「幸福を手に入れられるか」は運にもよりますが、せめて「甘い考え」を抑制して「不幸を避けること」は、誰もがやるべき大事なことだと思います。
↓