高度成長期に会社員を過ごした今の年金生活者は、自分たち世代よりも年金の受給にも恵まれたり退職金も多いかもしれません。
そういう僕も、バブル後期に社会人となったので、今の若い人のイメージからすると「バブルに浮かれた羽振り良い生活を送れて羨ましい」と思われるのかもしれません。
ですが結論、どの世代を生きても、良い面と悪い面があって、それを合算すればさほど優劣はないと思っています。
つまり「隣の芝生は青く見える」という現象です。
実際、FIRE志向の僕にとってとてもバブル期を社会人として過ごしたくないと思っていて、今日はそんな理由に該当する当時の実態を綴ります。
社畜祭り
まず基本、社畜オンリーの社会です。
ちなみに高度成長期に会社員として過ごしていた父をみると、月曜日から土曜日のお昼までが勤務で(当時は週休2日制なんてものはない)、土曜日は午後残業のあと接待をして夜遅くに帰ってきました。そして翌日日曜日は朝5時ぐらいにゴルフバックをもって会社の関係者が迎えに来て接待ゴルフをしていました。
つまり、月~土曜日は仕事、日曜日は早朝から接待ゴルフ。そして日曜日の夜に晩酌をするとすぐに寝ていたものです。
そんな接待ゴルフはほぼ「義務」であり拒否権なんてなかったものと思います。
バブル期後期を過ごした僕はそこまで酷くはなく、土日は休みではありましたが、今の時代のような「ノー残業デー」なんてものはありません。
なので月~木は(特に忙しい部署は)毎日が終電かタクシー帰りで、金曜日は夜の8時ぐらいに先輩から「六本木に行くぞー」と誘いを受けて飲み始める感じです。
年休を取ると取ったで「何をする」まで答えなくてはいけなくて「1泊2日でスキーに行きます」なんて言うと先輩から「年休は遊ぶためではなくやむをえない事情のために取るんだ」と指導されたものです。
そんな会社に魂と時間と忠誠を捧ぐ程に「良い社員」とされる扱いなので、そりゃ残業代で稼いだお金をパーっと使うことだってあれば、芝浦辺りの倉庫街のクラブ(昔はディスコとも呼ぶ)に行ってバカ騒ぎすることだってあります。
そんな一部を切りとって「浮かれた社会でいいな」と思われても、ちょっと違うんじゃないかなとは思います。
ハラスメント祭り
まあ、そんな時代ではあったので「ハラスメント」なんて言葉は存在しません。
今の時代の若い人が当時にタイムトラベルし、嫌がらせを受けた時に「ハラスメントだ」なんて言ってもせいぜい新しいミント味のガムでも出たのかと思われるのがオチです。
会社には出席必須の「社員旅行」というのがあって新入社員は社員旅行の「お笑い芸人」となり各自工夫した芸を披露するわけです。
定番の上司の物まね、男子体育会系は上半身裸になってビールを一気飲みしたり、文科系変態君は昆虫のモノマネをしたり、まあ何でもありの社員旅行です。
しかも部の全体が1つの部屋に寝るわけで、夜は上司のマッサージをするわけです。
今であれば速攻でセクハラホットライン行き案件がじゃんじゃんもりもりあるわけです。
まあ、こんな時代が好きでたまらないという奇特なFIRE民は少ないとは思いますが、そういった時代がバブル期後期の浮かれた世界の裏側にあるわけです。
終わりに
僕が会社を辞める前の会社のカルチャーはお上品になって、新入社員の研修だって腫物を触るかのような対応をしたり、社員旅行も廃止になったり、ワークライフバランスとして遊ぶための年休取得は歓迎されているわけです。
まあその分、残業がなくてお金に困る後輩も多く「飲みに誘うとプレッシャーか?」とびくびくしながら後輩に「今日軽く一杯行くか?」といって奢るわけです。
本当、いつの時代も良い面悪い面がありますし、自分の見えてない世界もあるわけで、勝手に良い面ばかりを妄想して「自分たちの世代(時代)は損をしている」と被害者意識を持つのはどうなのかとは思います。
結局、世代間のコミュニケーション不足も問題を大きくしている気はします。
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