自分では無傷FIREをしたと思っています。
無傷というのは、「FIREに必要な所要額」を目標に長年の「苦行」に耐えてFIRE達成したのではなく「気がついたらFIREに至っていた」ということです。
だからといって楽(ラク)に早期リタイアしたわけではなく、ましては遺産相続やらの他力本願でリタイアに至ったわけでもなく、それなりの苦行はあるという意味では傷だらけのFIREと変わりません。
今日は無傷FIREとなった理由やメリット・デメリットを綴ります。
無傷FIREとなった理由
そもそも無傷FIREとなったのは「見定めている先(=目標)」の違いだけです。
FIREをゴールにすると、必然的に「FIREに必要な所要額」が目標となってきます。
するとかなり長い期間をかけてその1つの目標到達を目指します。
それに対し僕はその時々で配属される職場での「業務目標」を見定めて仕事をしてきただけです。
つまりは「FIRE所要額に向けた長くてきつい道のり」ではなく「職場ごとの業務目標を短期的に目指す繰り返し」ということになるわけです。
FIREという待ち望んだ目標のためあらゆる忍耐や根性を費やすというより、業務目標の拘りに費やしてしまっただけで、対象の違いから「FIREとして傷を負ってない」とは感じます。
これは良い面もあれば悪い面もあります。
無傷FIREのメリット
そうした無傷FIREのメリットとして僕が感じるのは「時間経過が早い」のと「お金の存在価値が緩い」という点です。
それぞれみていきます。
時間経過が早い
そもそも働きだしてからというもの、異動の度に無条件で「職場での業務目標」を目指す選択しか取れませんでした。
なかなかFIREというサラリーマンの出口にまで目は届かず、それより3~4年の職場単位で目標達成に集中する時間を過ごしてきました。
短期的にその目標が変わっていくので、それぞれの目標達成とクリアーといったサイクルは多いものの、その時間経過は早く感じます。
例えるならば、山頂をめざしながら山登りをすると長く感じるけど、1合目、2合目といった途中のマイルストーンだけをみて登山をすれば「なかなか頂上に届かない」といった感覚に陥らないことと同じです。
お金の存在価値が緩い
また、お金の存在価値が緩くなります。
FIRE所要額を目標にするとそれだけ目標(=お金)に意識を集中させます。
そしてそのお金というものが自分のFIRE人生の支えであると強く認識することになります。
FIRE後はやはりお金の存在を希薄にさせ「お金以外のものごと」に意識を向けたいと思うようになります。
僕にとってそうしたお金の存在価値が緩いことはメリットではあります。
無傷FIREのデメリット
以上の「時間経過が早い」と「お金の存在価値が緩い」ということがFIREを目標としない無傷FIREアプローチのメリットである一方で、そのデメリットもあります。
まず1つは「FIRE達成後の喜びが希薄になる」ということです。
以前僕は「FIREは通過点だ」と記述しました。
FIREを目標としてきた人はFIRE達成で「やっと解放された」という感覚を持つと思いますし、そんな到達地点からの時間はかなり「貴重な日々」になるはずです。
僕はその感覚が希薄になってしまいます。
それゆえFIREによる早期リタイアは「通過点である」と思いこの記事に綴っています。
また、FIRE所要額を目標にする分、より資産を増やすためのスキルや知識に優れると思います。それはFIRE以降も活かし続けることができると思います。
その点のスキルや知識はどうしても追求しきれていないところが無傷FIREの置かれたデメリットだと思います。
終わりに
以上、僕のFIREは傷を負っている感覚もなく、時間的にもあっという間に達成した気はします。
これは僕の苦行がFIREではなく各職場での目標達成にタグ付けされているだけの違いです。
そしてFIREを目標にずっと苦行を伴い達成する人に比べると、FIRE達成後の喜びは少ないかもしれませんし、資産形成のスキルや知識も劣るかもしれません。
ですがFIRE所要額という長丁場を目指していたら、気が散りがちな僕はつい方向を見失いとんでもない終着点にいたかもしれません。
という性格面では短期的な目標に追われるぐらいが自己を失わずに良かったのだと思います。
いまFIREを目指して苦行を積まれている方は、その努力はいつか反転し「大きな苦行が大きな喜びに変わる」のと「学び習得していることが後の資産になる」のだと思います。
人生トータルでは苦労と楽しさはゼロサムだと思います。
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