実はまだ少し先取り感のあるところだが、僕が今後の成長を信じ楽しみにしているのが「2拠点生活」です。
今の経済低迷も根源には人口減少という構造問題があるわけです。
都会の一極集中を是正しながら地方を活性化させる「地方創生」も現政権のIちゃんが言い出しています。
そんな「一極集中の是正&地方再生」は経済を活性化させうる普遍的な方向性であると思っていて政権交代があれど路線は変わらないステディーな「トレンド」と感じています。
そこで僕が5~10年スパンで考えているのが「FIREx2拠点生活」で潤いある生活(経済面も精神面も)を作るかです。
古い時代の別荘という2拠点生活
ちなみに僕世代では、2拠点生活というと昔のイメージとしては「富裕層が都会に住みながら週末を別荘で過ごす」を思い浮かべます。
それこそスキー場の周辺の苗場エリア、温泉のある熱海、自然豊かな軽井沢などに別荘を持ち、平日は東京で過ごしながら週末は家族友人と緑豊かな田舎でのんびり過ごすライフスタイルです。
現実そこまで資産を持たない人は「せめて子供たちが広いスペースで思いっきり遊べるようにしたい」と、都心を避けて自然も残る郊外の振興開発地に一軒家や分譲マンションを購入し、通勤には1時間かかれど日常のひとときは緑に囲まれ癒やしの生活を大切にしていたわけです。
昭和から平成時代に郊外のマイホームとして購入したものが、今となっては重い負債になったり空き家となるケースもでてきています(良い家族の思い出が残ったのならお金に替えられない価値はあるでしょうけど)。
新しい時代の2拠点生活
そして今の時代、若い人にとっては労働需要があり、高齢者にとっては通院含め生活利便性が高い「都会生活」は根強い人気で、一極集中が解消されるどころか増々進んでいます。
今だに人口増加(流入人口>流出人口)があるのはそうした便利な場所ではあります。
それがコロナ禍を契機に新しいワークススタイル(リモート)も浸透するなかで、都心回帰・都心一極集中の影響からの反動で2拠点生活も注目を集めるようになりました。
2020年~21年は、僕の友人たちも千葉県の海沿いに別宅を買って2拠点生活を始める人が出てきました。
仕事が集中する時は都心に住み、それ以外を郊外で過ごす、そんな仕事の都合で生活時間を按分する(昔のような平日と週末で分けるのではない)ライフスタイルです。
古い時代の「週末を別荘で過ごしています」ではなく「仕事がある時は都心にいます」ぐらいな感じです。
そしてコロナ禍も終わり、都会生活でもさほど制約が無くなった今は、彼らも軸足は都会生活を多めにのんびりしたい時(リモートで大丈夫な時)は田舎で過ごす方法に、割り振りは変えています。
そんな弾力的なライフスタイルを送れるのはいいなと、ずっと感じていました。
僕にとっての2拠点生活の問題点
そんななか、僕もFIREをして時間もできたので、趣味の旅行を兼ねて日本もあちこち遊びに行きながら「どこに拠点を構えると楽しそうか」とみて周っています。
僕より身軽なFIRE民の方は、日本全国あちこちに賃貸で居住場所を変えながら生活している人もいますし、それはそれで自分の立場を最大にレバレッジして素晴らしいと感じます。
一方で僕は、やはり老齢の母親を支えつつ都会と田舎の良さを味わいたいので、どうしても当面は旅行、あるいは2拠点目に「賃貸」を考えています。
ただ、自宅(所有)を持ちながら賃貸をするとそれだけ「固定費」が出てしまいます。
現役時代から徹底的に固定費を削ってきた僕にとって、経済的に合理性がないと感じていてFIRE後は賃貸するまでには至らず躊躇しています。
昨今の新しい2拠点生活を巡るトレンド
ところが今年に入ってからかなり状況が変化しました。
冒頭に書いた通り国や地方自治体、民間企業が連携し、新しい施策を開始したことです。
例えば僕にとって先日のプレスリリースで気になったのがこちらです。
日本航空は10月16日、マイルを活用した2拠点居住(二地域居住生活)を推進する取り組みを始めた。自治体が募る2拠点居住の参加者にJALがマイルを付与し、都市部から地方への移動費用の負担を軽減する。第1弾として、JALと大分県玖珠町(くすまち)、大分県信用組合の3者は同日、「持続的な人流創造に関する協力覚書(MOC)」を締結した。
こうした自治体と企業の連携のほか、日本各地で自治体が2拠点生活における生活費(賃貸料金の補填等)で誘致を始めていますし、中央政府としても都会の一極集中を分散させ経済活性化を進めたいなか、このジャンルにお金が流れていくとみています。
僕にとってのディザスターリカバリ
さらに言えば、これはライフスタイルとしての興味だけではありません。
資産については半分を外貨で運用し国際分散をすることで安全性を高めています。
ですが地理的にはいまの東京生活(他の保有物件も都心)なので一極集中しています。
2011年、震災が起こった時に都心にした一部の人たちは放射能を恐れ九州やら沖縄に移住した人もいました。
能登半島の地震では能登の在住者は金沢に避難していた人もいました。
こうした震災は局部影響なので、例えばいわゆる「ディザスターリカバリー」といってサーバーの重要データのミラーを分散先に置くときに、業界により基準は違えど、およそ150kmの遠隔地に設置することで被災を避けることが推奨されています。
なので150km以上離れた場所に2つ目の拠点を持つということは災害時への地理的分散として良いと思っていて、いずれ2拠点目を賃貸から物件として所有すれば、現物資産の分散化もできます(空いてる時間にどう運用するかは課題ですが)。
終わりに
ということで、FIREをしたがゆえにこうした地理的な自由度が増す中で、単に旅行で行き来するだけの状態から「都心持家+他の場所賃貸」として政府助成を使いながら展開する方法も注目しています。
FIREで「のほほん」と生活するのも楽しいのですが、一方で楽しく安全で柔軟性高いライフスタイルをどう実現するか取り組んでいる1つがこの記事に代表される内容です。
現役時代、お金を増やすときには「経済成長のあるところ」を軸に全ての投資設計をしていたわけですが、人生の楽しみを増やすFIRE後は「今後の主流となる社会トレンドを外さない人生設計」が肝だと思っています。
FIRE民と2拠点生活の相性は良いですし、こうしたトレンドを使うことで人生設計するという方法もおもしろいと思い記事にした次第ですが、何かの参考になれば幸いです。
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