アーリーリタイア後にやるべき最大の断捨離は「楽しみは先延ばし」という悪習を捨てることです。
実際、アーリーリタイアをしたいまから生涯を振り返ると一貫して「未来のためにいまを犠牲にする」と教えられてきたと気が付きます。
つまり「楽しみは先延ばしせよ」というのは、苦しいことを続ける今(の犠牲)を正当化することです。
こうした楽しむことを悪とみなす思想こそリタイア後は断捨離すべきで、これを今日は綴ります。
楽しみは先延ばしとはレールに乗り続けること
そもそも「楽しみは先延ばし」という習慣は日本国資本主義部鉄道課が生み出した「レール」という産物に象徴されます。
学生時代は受験に備え猛勉強をしましたがこれは社会でいう「レールに乗る」ための努力です。
そしてサラリーマンともなれば「組織の目標」だとか「10年後の自分」をめざして今の苦しみを受容することが美徳だと教えられます。
社会でいう「レールから降りない」ための努力です。
このように、レールに乗る前はレールに乗れ乗れとプレッシャーをかけられ、レールに乗った後は降りないようプレシャーをかけられます。
これは「国民皆レール制度」を浸透させるための資本主義部鉄道課長が受け持ったミッションなわけで、それによる洗脳なわけです。
彼らは「今、人生を楽しみたい」という欲望を持つ人間を残らず排除するために「楽しみは先延ばし」が美徳だと、詭弁を使うわけです。
FIREは脱レールキャンペーン
こうした国民皆レール制度に反駁するのは若年層では「ドロップアウト」軍であり中年層は「ミッドライフクライシス」軍なわけです。
FIREはこうしたドロップアウトやクライシスにおける解決メソドロジーなわけで、生活を支えるだけの収入源を投資やセミリタイア的労働で確保し「少なくてもレールから半身は乗り出そう」とか「完全離脱だ!」となるわけです。
僕は資本主義部鉄道課長とは利害対峙する娯楽解放部門長の特命を受け、末席で密かにブログ活動によってレール至上主義にネガティブキャンペーンをはっているわけです。
そんな僕が感じる最大の難所は「それでも楽しみを先延ばしする」という「リタイア後も断捨離できないマインドの完全解放」です。
幻想ロードを降りた視界
そうした幻想ロードをFIREで離脱しても、時に副作用が強く、マインドの解放がなかなかできないことがあります。
それはFIREをするために長年「節約して未来に備える」を習慣にしてきたFIRE志向者なりに多い副作用です。
リタイア後にせっかく貯めてきたお金を使うべき状況になっても「これを使ってしまったら、将来困るかもしれない」と躊躇し楽しむべき今を逃してしまう行動です。
これらは「今の過小評価」と「将来の過大評価」からきています。
今の過小評価
今の過小評価というのはリタイアをしたのに「時間はたっぷりあるから」と旅行の計画を先延ばししたり、子どもたちと会う約束も先延ばしするなどで、今すぐやることの大事さを過小に考えることです。
これはレール離脱後に安全地帯に立ったため、心に隙が生じているからでもあります。
その結果「今を楽しむ」ということを軽視し、今の楽しみの機会を逃してしまっています。
将来の過大評価
また「もっと先に備えなければ」という気持ちが拭えずお金を使って楽しむことを先延ばしにする「将来を過大評価」する行動もあります。
でもその「先の備え」っていったいなにか?
それが「非常事態」というならば、例えば予想外の病気での支出や詐欺などあるかもしれません。それ以外、人生で起こりうるリスクはある程度予測してリタイア計画で資金準備はされているはずです。
ちなみに僕の場合、アーリーリタイア生活は身軽になったので、自分のことを支えれば良いだけです。もはや大黒柱として働かないと家族が路頭に迷うこともありません。
ですがこうして冷静に因数分解しないといつまでも心のどこかに「非常事態」がこびりついていて何の非常事態か具体的にわからないままお金を使うことを躊躇するのです。
では詐欺に巻き込まれるといった懸念はどうか?
僕にとってお金を増やす時代ならまだしもお金を使うステージでは「儲け話」なんて興味がありません。なので儲けようなんて心がないところに詐欺も入りようがありません。
こうした「みえないリスク(非常事態)への備えに過剰な積算をする」のもリタイア後に克服しないといけないものです。
楽しみは先延ばしのリスク
こうした今の過小評価、将来の過大評価によって、結果的に「楽しみを先延ばし」となっているわけです。
それを是正するためには先延ばしのリスクを意識する必要があります。
そのリスクは「時間」です。
時間なんて沢山ある、将来不安に備えるのは良いことだという裏には「今を楽しむ機会を先延ばし」とがあって「時間」をロスしていくのです。
アーリーリタイアをして自由になっても健康寿命として残された可処分時間は少ないわけで、思いついたら直ちに計画・実行に移さないと時間ばかりが過ぎていくのです。
終わりに
以上のとおり、人生前半はレールに乗らないことを恐れて(無意味なことも多い)勉強に時間を注ぎ、人生後半はレールから降りることを恐れて(無慈悲なことも多い)仕事に時間を注ぎ、結果、ずっと「楽しみは先延ばし」にしてきたわけです。
アーリーリタイアをしてせっかくレールを降りても、お金を使うことを恐れて楽しみを先延ばしにし、時間があると勘違いして楽しみを先延ばしにしていては、あっという間に人生は終わります。
それが最大のリスクです。
リタイア後は未来のためにいまを犠牲にするのは止めて、
「今を楽しむ」をモットーに社会のレールから降りて自由な道をマイペースで散歩しよう!
これが早かろうが遅かろうがラストマイルで歩む「豊かな道」であり働く人もいずれ辿ることになると思っています。
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