お金は体験に使うと良いと言われています。
直観的にも体験への支出は良いと賛同しますが、かといって体験であればどれもが良いとは限りません。大金を払っても記憶にすら残らないこともあるわけです。
実は今日は「心に深く残るであろう体験」にお金を使いました。
ちなみに僕は、お金の使い方についての「成功の法則」という仮説を持っていて、それは「唯一無二」に使うというものです。
今日のその「唯一無二」にお金を使った出来事を踏まえ、なぜそれが「心に深く残る思い出」につながるかといったお金を使い方を綴ります。
心に深く残る思い出とは
結論から言うと今日は「チケットぴあで来年4月のライブの予約(抽選あり)をした」ということです。
抽選に当たってライブに参加できればきっと「心に残る思い出」になると思っています。
そのライブは80年代にデビューして世界的に有名になった「シンディーローパー」です。
彼女は1984年に「ガールズ・ジャスト・ワナ・ハヴ・ファン」をリリースしその奇抜な髪型やファッションで歌うポップな曲は大ヒットしました。
でも僕が最も好きな曲(自分のトップ10に入る)はアコスティックで切ない雰囲気の「タイム・アフター・タイム」です。
そんな彼女は最後の世界ツアーをヨーロッパから実施していて来年4月に来日ライブをします。
僕にとっては楽しい大学生活に刻まれた彼女の名曲を聴きながら、彼女の功績を称える最後のライブに立ち会いたいと思っています。
なぜならこれは「唯一無二の体験」になるからです。
唯一無二の体験とは
お金で体験を買うときに「成功の法則」となると思うのが「唯一無二」です。
それは「他に代わりがなく、その場所、状況、その瞬間でしか得られない特別な経験で、個人的な思いに直結し、再現が難しい」というものです。
だからこそ心に深く刻まれると思います。
それゆえライブも唯一無二の条件を揃える1つの実現方法で、具体的には、
・大きなライブ会場に人がぞろぞろ集まるワクワク感、
・会場の壮大な仕掛けの非日常感、
・着席しライブが始まる直前の静けさ(大人数なのにシーンとする)や開始後の一気の盛り上がりといった息づかいの変化、
・懐かしい音楽と共に心に浮かぶ過去のいろいろな思い出
・そのアーティストが好きで集まった会場の人たちやアーティストとの空気の一体感、
といったものです。
音楽好きの僕は「(リズムを含む)五感で体験することが心に沁みる」というのもあってライブやミュージカルでしか味わえない唯一無二の体験が感動につながって心にいつまでも残るのです。
過去のライブ体験
こうしたライブ体験で深く心に刻まれた思い出は過去にもあります。
1990年12月23日、スティービーワンダーが来日し東京ドームでライブをしました。
もう30年以上前のことですがそのホールの空気感は今でもリアルに思い出せます。
当時、東京の街はクリスマスで浮かれて、さらに浮かれた僕は東京ドームでのスティービーのライブに行きました。
ライブのなかで彼は何かクリスマスソングを歌ったのですが、その前後に突然客席に向かってスティービーが言ったことを今でも覚えています。
「あなたの国で最も有名なクリスマスソングを歌ってください。日本語でも構わない。日本人の皆さんが知っている曲を僕に聴かせてください」と英語で話しかけました。
通訳も無く会場も突然のリクエストに「なに。なに・・?」となっているところそのリクエストを理解した僕は「何か歌わなきゃ・・」とプレッシャーを感じました。
とはいってワムのラストクリスマスじゃ失礼なわけで、日本語で歌えるクリスマスソング・・・山下達郎のクリスマスイブ・・ではキーが高すぎる・・と頭が真っ白になっているところで、静まり返った会場から誰か男性が歌い出したのです。
「きーぃよーし、こーのよーる、ほーしーは・・」と。
あ、これか、と僕も気が付き音程を外しながらも歌い出しました。
すると会場のあちこちの人がだんだんと歌いだし、やがて会場に響き渡る大きな歌声となったのです。
その時に思ったのは「世の中で、このライブ会場にいた1万人(?)だけしか体験していない唯一無二の出来事だ」ということです。
今もこうして文章にもできればその空気感は色褪せません。
唯一無二の金銭感覚
こうした唯一無二の体験はお金をかける価値があるというのが僕の持論です。
ちなみにシンディーローパーのライブはS席2万円ですが、同じ2万円を有名なお寿司屋で「お任せで2万円で食べさせて」といって得られる体験にはない「心に深く刻まれる」になると思っています。
もちろんお寿司最高です。
舌で驚き、心に刻まれ、そして感動するかもしれません。
ですがいつまでもそれが持続し心の深くに刻まれるかといったらどこか僕にとっては違うのです。
今の自分の実力では寿司職人の包丁のさばき方でいかに味が変わるかとか、高級ワインだってぶどう品種や奥にある樽の種類やらなんてわかりません。
なのでお寿司やらワインは頑張って1万円の価値しか理解できないのでそれ以上は価値を捉えられない過剰な支出でしかありません。
それゆえその価値が心に刻まれるまでいかない気がします。
ですが音楽は思い出がよみがえり、再現性もないその瞬間を得られる唯一無二の体験ができ、その感動は深く長く心に刻まれるのです。
終わりに
意味あるお金の使い方というのは、使い方そのものより、それによって何を得られるかといった自分の実力も成熟しないといけないと思っています。
なので自分の心にも歴史にも刻まれた音楽は手軽に唯一無二の(自分の過去の思い出も含めて)体験をでき感動も生まれやすい、ハードルの低い「意味ある支出」と思っています。
その体験で得られる「唯一無二さ」が感動として定着するのでしょう。
でも僕の最大の弱点は抽選に弱いことです。
このところ玉置浩二もサザンもハズレてしまって、当たり無しの日々が続いています。
だからこそ当たると唯一無二が増し増しになるかもと前向きに考えています。
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