日本での資産形成環境はリーンFIRE(最低限の生活費で早期リタイアを目指すライフスタイル)を増産させる方向に加速していきます。
なぜならリーンFIREの必要額である(仮に)資産2000~3000万円こそ、政府が最もサポートしたいセグメントだからです。
遡ること政府は2019年に「老後2000万円問題」を打ち上げ「国民が投資による自助努力で年金不足分を自ら稼ぐ」を促そうとしました。
その狙いが大衆の反発をくらい不発に終わったことで、結果、新NISAの導入等で引き続き2000~3000万円を貯蓄するよう自助努力(投資)を促す施策を積極的に展開しています。
そこまで執拗に対応する背景には「より多くの国民が老後不安なく過ごせれば政治基盤の安定化につながる」からです。
ということで今日は今後の資産形成環境が「リーンFIRE」を目指すうえで追い風であるという未来予想図を綴ります。
リーンFIREを促す施策群
リーンFIREを目標とする人にとって、順風となる2大制度が、①新NISA(少額投資非課税制度)と②iDeCo(個人型確定拠出年金)です。
これらは老後に必要とされる2000万円程度の資金を効率的に形成することが可能であるからです。
それぞれみていきます。
新NISAの狙い
新NISAは2024年から施行され、既存の制度に比べて非課税枠が大幅に拡充されました。
つみたてNISAの年間非課税枠が120万円、成長投資枠が240万円に設定され、非課税期間が無期限となったのです。
その結果、投資初心者でも少額からリスクを抑えながら資産を積み上げることが可能となり、若い世代を中心に「投資文化」の普及が進みました。
この制度で最大1800万円まで非課税となり長期運用をすれば、これに投資益が上乗せとなるので2000万円から3000万円という狙いどころにぴったりはまるわけです。
iDeCo(個人型確定拠出年金)の狙い
iDeCo(個人型確定拠出年金)も新NISAと同様の制度で、また新NISAと併用可能です。
但し、iDeCoはより老後の年金補助を目的とした制度で、原則60歳まで引き出すことができないなど制約があります。
そのかわり所得控除など節税効果が大きい点、また、老齢給付金として受け取る際も「公的年金等控除」や「退職所得控除」の対象になります。
この制度によって年金の不足分となる資金を60歳以降にきちんと保持できるよう促す役割を持たせているわけです。
リーンFIREの増加によるプラス影響
こうした資産形成の制度面がリーンFIREの増加を後押しすることで様々な社会的メリットがあります。
リーンFIREをする人が増加することで、より個人に自由な時間を得ることになります。
その結果、消費の多様化や地方活性化、ボランティア活動の増加など、経済の新たな成長を促す可能性が出てきます。
また、早期リタイアを選ぶ人が増えることで積極的に新しい働き方や起業に挑戦する環境が生まれ、社会全体が柔軟性を持つようになるかもしれません。
ミニマリストを志向しながら幸福を追求する、そうした個性ある生き方がより流行してくるといえます。
結論
以上、高齢化社会が背景に解決が困難な年金問題を対処するため、政府としても「国民が投資による自助努力で年金不足分を自ら稼ぐ」を促すことがとても重要なわけです。
こうした状況で導入された新NISAやiDeCoが、結果的に、リーンFIRE民の達成者を加速させるわけです。
リーンFIRE民は質素ながらも自由な生活を送るという新たな価値観が広げ、多様な生き方を受け入れる社会が形成され、日本全体の活力が向上する未来が訪れるといいなと思っています。
以上がリーンFIREが増加するとう未来予想図です。
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