リタイア後にお金を有意義に使うことは理想的ですが実際は簡単ではありません。
僕の場合はリタイアから2年が経過しようやくお金の使い方も形ができてきました。
そこに至るまで3つのステップがあったと思います。
それは、①収支管理と資産管理の徹底、②貯蓄を減らす心理的ハードルの克服、③節約習慣を持ちながら支出習慣を育てる、です。
今日はこうした3つのステップについて振り返りながら綴ります。
収支管理と資産管理の徹底
リタイアを境に収支構造が大きく変化します。
それゆえ徹底した収支管理や資産管理で資産やお金の流れを「透明化」したり、リタイア前に実施した収支シュミレーションとの乖離を把握し計画値から実績値を置き換えながら不確実性を克服(計画は計画であり不確実なものだという感覚を持っていたのを実績値で確証していくこと)をすることが重要です。
収支管理
なにしろ収入は大きく変化します。
給与収入が無くなります。そして主に投資による収入が中心になります。またそれは状況によって変動します。
支出についても社会保険や税金は基本減りますし生活費の構成も変わります。
こうした日々の収入と支出のバランスを把握し、無駄遣いを防ぎつつ計画的にお金を使うために徹底するのが「収支管理」です。
資産管理
また、収入の中心が投資や資産運用となるので、その源泉となる資産状況を把握することも重要となります。
預貯金、不動産、投資信託、株式、またそれらの円建や外貨建ての構成比やリターンを定期的に把握する「資産管理」も必要となります。
これら収支管理と資産管理を定期的に実施し、お金の流れや状態を把握することが重要であり、これをせずして安心してお金を使っていくことはできません。
貯蓄を減らす心理的ハードルの克服
とはいえ、収支管理と資産管理はあくまで数値データでの把握でしかありません。
お金を有意義に使い出す実践段階となると、貯蓄を取り崩すことへの心理的ハードルを克服しなければいけません。
そのハードルは「お金が減りゆくストレス」であり因数分解ができます。
その3つの分解要素は「不安、未練、恐怖」です。
不安とは、お金の状態や先行きの変化についての不安です。
前述の収支管理や資産管理である程度は克服可能ですが、最終的には「不安(というかリスク)を受け入れる」ということなのかもしれないと悟ったのがこちらの記事です。
ですが未練というのは「資産をより増やしたい」というお金を増やすことへのこだわで、これを捨てることも必要です。
恐怖というのは怖さというより居心地の悪さのようなものです。お金が増えることに慣れ親しんだ現役時代とは違って現預金が減りゆくことに対する静かなる怖さみたいなものです。
これらは過去に記事にしています。
節約習慣を持ちながら支出習慣を育てる
こうして、お金の透明性や不確実性を克服し(ステップ1)、貯蓄を減らす心理的ハードルの克服(ステップ2)をしても、FIREを目指して貯蓄をする習慣にメスをいれていかなければ実際にはお金を使うことができません。
でもそれは無駄遣いを増やそうという意味ではありません。
あくまでこれまでの現役時代から持っている「節約習慣」という良いものを残しつつ、でも大胆に有意義なものに対してお金を使うことをする「胆力」を育てることです。
僕の場合はその習慣を荒療法で直したり、実際に目一杯お金を使う実験をしてその効果を確かめたりするなかで節約習慣からメリハリあるお金の使い方へと変化しました。
言い換えると、現役時代の節約習慣の弊害は「楽しむためにお金を使う」という経験不足なのかもしれませんし、何に使うことが意義あることかという「自分の価値観への確信の無さ」かもしれません。
終わりに
以上、リタイア後にお金を有意義に使うようになるまでは丸2年はかかりましたし、その間の試行錯誤は大変なものでした。
大きくは3ステップで、それは①収支管理と資産管理の徹底、②貯蓄を減らす心理的ハードルの克服、③節約習慣を持ちながら支出習慣を育てる、という流れです。
まだまだその間に感じたことや発見したことを記事にしていましたが、今回は大枠の流れだけを少しまとめてみました。
お金の有意義な使い方を模索されている方の参考になれば幸いです。
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