今日は悲しいことにお世話になった人のお通夜で出かけていました。
人の一生は儚いと思うと時間が無限にあるなんて思うことは幻想で、やはり誰もがFIRE(経済的自立と早期リタイア)を目指すべきと思った次第です。
今日はなぜFIREを目指すべきか、その時の最大の落し穴であるFIRE所要額について思ったことを綴ります。
FIREを目指すべき理由
FIREは経済的自由を手に入れ、そして人生をより自分らしく生きるうえで理想的な手段だと思います。
自分らしく生きるというのは、自分のやりたいようにすることです。
やりたいようにすると聞いて「遊び呆ける」とイメージするのは短絡的です。
仕事が嫌いで働きたくないのが本心ならば、お金があれば仕事をしないで済むわけです。
自分の気持ちを偽って無理に働くより「嫌なものは嫌だ」と正直になって自分で生き方を決められることが「やりたいようにやる」ことです。必ずしも遊び呆けることではありません。
また、お金が十分にあってもそれでも仕事を続けたいと思う人もいるでしょう。お金のために仕事をしないことで更に仕事が好きになれたり、あるいは本来やりたい仕事に転職したり、起業したりするかもしれません。
お金があることで好きなことを取捨選択できるので、結果、自分のやりたいことに行きつくのです。
お金は遊び呆けるためというより、嫌なことを避けたり、やりたいことに行きついたりといったことに役立ちます。
つまり、お金は自分自身を自由な世界に連れて行ってくれて解放しれくれるのです。
そう考えると、日々を贅沢に浪費して生きることより、FIREをめざすこと(少なくても経済的自立を目指すこと)は意味あることだと改めて思います。
FIREでの最大の落し穴
ただFIREには落し穴があります。
最大の落し穴は「お金を過信しすぎること」です。
それは2つの意味があって、①お金は幸せを約束しない、②FIRE所要額を生活費と誤解しない、です。
お金は幸せを約束しない
あくまでもFIREは自分を自由にはしてくれますが幸せにしてくれるとは限りません。
FIREによって働かずに生きていけるだけの多額の資産を持っても、実際には「お金があっても幸せではない人」が世の中に山ほどいます。
お金さえあれば幸せが約束される、そうお金を過信してはのちのちお金の逆襲を受けると思います。
FIRE所要額を生活費と誤解しない
また、FIRE所要額は生活費(生活のためだけの費用)だと誤解してもいけません。
FIRE所要額として世間では「年間支出 × 25倍(4%ルール)」で計算します。
例えば年間支出が300万円であれば必要額は約7500万円となります。
これは便利で広く使われていますが大前提となるのはサラリーマンの頃の「生活費」です。
この生活費を基準にリタイア生活を完全に決めきるのは危険です。
やはり「最低限の生活費 + 自分が望むリタイア後の暮らしの経費」としてはじめて自由時間を充実して過ごせるのだと思います。
ただその総額費用は「その人が何を大切にするか」といった価値観や人生観で変わるもので、のが難しい点です。
価値観で変わる人生経費
例えば「今後の成長のために新たなスキルを学びたい」という人と「社会貢献活動に積極的に関わりたい」といった人では、何を大事にするかの価値観は違いますし、そこで必要となる金額は変わります。
成長やスキル獲得はよりお金がかかるかもしれません。
また人生観でも違ってきます。
例えば「静かに田舎で自給自足のような生活を送りたい」のか「都市部で文化的な活動に積極的に参加したい」のか、どこでどのように過ごすかの理想とする生き方(=人生観)で必要資金は異なります。
なのでFIRE後に必要な額は自分の価値観や人生観を反映させた「最低限の生活費 + 自分が望む暮らしのための経費」として考えるべきだとは思います。
ただそれはリタイア前にわかるものではなく、走りながら考えたり修正するものだと思います。
僕の場合のFIRE所要額
今の僕のFIRE所要額は結果として「年間生活費 × 40倍(2.5%ルール)x2倍(ゆとり費含む全体に対する生活費比率)」が必要です。
試行錯誤をして資産運用とお金の使い方の実験でいきついたものです。
それは年間生活費の80倍となってしまいますが、実際にはそこまで資産はありません。
さまざまなリタイア後の「お金を使う実験」から導かれた結果で、2024年の上半期実績は「生活費(青):ゆとり比(橙)=47:53」となり、まずます満足した時間を過ごせています。
つまりは自分にとってリタイア生活の経費は(サラリーマンの頃であり今も変わらない)生活費のほぼ2倍が「ゆとり費を含む全体支出額」であり自分の人生経費です。
詳細はこちらの記事に書いています。
なお、実際のところ金融資産は年率2.5%(防衛的資産構成にしているので)ですが何だかんだ(なぜか)資産は横ばいで、不動産を入れた純資産は2年半で115%になりました。
リタイア前の数値とリアルの感覚はどこかギャップもありますがもう少し分析して理由を導き出したいと思います。
終わりに
話を戻すと、やはりFIREの目的は「自分らしく生きることが本質」だと思います。
それは仕事をせずに穏やかに過ごすことでも、何か興味関心のままアクティブに過ごすことでも、とにかく自分の価値観や人生感に即して生きることが大事だと思います。
他人がどうこう批判したり批判でもって決めるものではなく、あくまで自分の気持ちに沿って自己決定することです。
価値観や人生観は最初(リタイア前)からわかるものでもなく、自由さえあれば試行錯誤しながらも行き着くところに行き着くと思います。
そうすれば、いずれは自分の時間を使い果たして天に召される時に「後悔のない生き方をした」と思えることにつながるのでしょう。
お世話になった故人は後悔のない生き方を全うしていた心優しい人で、今日は命の儚さを感じながらこのようなFIRE観を感じた次第です。
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