FIREブームはアメリカのミレニアル世代を中心に2010年頃から広がりました。
アメリカ発祥のFIREでありながら、FIRE生活を送るならアメリカより日本が楽だと思います。
それは日本のほうが低い生活コストで快適なFIRE生活を送れる環境が揃っているからです。
今日はFIRE生活についてアメリカと日本の環境やリスクの違いをもとに、日本のどの部分が恵まれているか、個人的観点を綴りたいと思います。
5つの理由で日本のFIREは恵まれている
FIREを目指すうえで、日本はアメリカに比べて有利な条件が揃っていると思います。
それは日本の方が圧倒的に低コストで快適なFIRE生活を送れる点ためです。
その理由は5つあって、①生活費が比較的低い、②医療費が安い、③公共交通機関が発達している、④社会保障制度が充実している、⑤社会保障制度が充実している、というものです。
個々に取り上げます。
生活費が比較的低い
日本の地方都市での生活費はアメリカの地方都市に比べて大幅に安く抑えられます。
なにしろ家賃は手頃で地域のスーパーや直売所で食費も安価に調達できます。
一方、アメリカは地方都市といえど住宅費は高額で、仮に安いところに住むと治安の問題や他人評価や人間関係に影響します。
というのは、アメリカは主要都市も地方都市も、住所=住む地域の属性=裕福さや教育レベルと直結=治安とも連動、という構図です。
つまり、高級住宅街に安い物件はありませんし、逆に安い物件があるところは周囲もそうした物件ばかりでポツンと高級住宅が存在しません。良くも悪くも富める人とそうでない人が「住み分け」しています。
よって、FIREをして生活費を抑えようと家賃の安いところに住むというのは、居住上の安全性であり安心感であったりある意味「都落ち」という感覚にどう決着つけるかが問われます。
日本は低コストのFIRE生活を安全性や安心感をもって区別(差別)されず送れることができる環境に恵まれています。
医療費が安い
日本の医療費は国民皆保険制度のおかげで自己負担が非常に低いです。
高額療養費制度があり突然の病気や手術でも負担額が限られ安心して暮らせます。
一方、アメリカは民間の医療保険が高額で保険があっても多額の自己負担が必要な場合があります。
アメリカの企業が従業員向けに保険サービスを団体契約し提供するパターンが多く、逆にFIREをするとこの医療保険をどうするかについて頭を悩ませます。
救急車を呼ぶだけで300ドル+の世界ですし診療治療費は膨大です。
医療保険に入らず病院にも「よほどのことが無い限り行かない」なんていうのが所得の少ない層での特徴です。
リタイア後の医療費負担が軽減される日本の制度はアメリカでは考えられませんし、FIRE達成後の生活は医療面で安心できるのが日本だと思います。
公共交通機関が発達している
日本の電車やバスといった公共交通機関の利便性が高く世界でもトップクラスです。
地方都市でも公共交通機関が整っているため車を持たずに生活することが可能です。
一方、アメリカの地方都市でも車は必須で家庭に2台(旦那と奥様用)というのも普通です。
ガソリン代や車両維持費は日本より安いものの、自動車保険料が膨大です。盗難保険をかけたりすると人気車種(特に今はガソリン代が高いので日本車は人気)は盗難率が高い分、保険代が高くなります。保険だけで年間で20万円/台は払っていました。
車を所有しなくても快適に生活できる日本はFIRE後の生活費を大きく削減できます。
社会保障制度が充実している
日本の公的年金制度や健康保険制度はFIREを目指す人にとって強力な支えとなります。
退職後の生活費を完全に自分で賄う必要があるアメリカと比べ、日本では年金や介護保険などの社会保障制度が生活を補助してくれます。
これにより資産取り崩しのペースを緩やかにでき安心してリタイア生活を楽しむことが可能です。
アメリカは逆にいえば誰もが老後のため若い頃から資産運用をしますし、投資リテラシーが自然とつくのは良い点でしょう。職場でもそうした話題が出ますし、それゆえたまに30代なで投資で資産を作りポンとFIREする構図も理解できなくありません。
やはり長生きリスクがある時代では、日本のような社会保障制度は安心できるものです。
ミニマムライフが文化的に受け入れられている
日本は「質素倹約」を美徳とする文化もありますし贅沢を追求しない生活がポジティブに捉えられる傾向があります。
そのためFIRE後のミニマムライフは1つのライフスタイルとして周囲から理解されやすいものです。
一方、アメリカでは「貯蓄よりも消費」という文化が根強くて、消費は成功の証でありそのために働く、起業するという根っからの資本主義志向も一般的です。
もちろんアメリカのミレニアム世代は低コスト思考をしたりしますが、それでも低コストの生活を選ぶと周囲から孤立しがちで「節約するぐらいなら自分に合う仕事を見つければよい」という合理的な理屈でプレッシャーも大きいものです。
日本は村社会的な文化があるとはいえ低コストでも心理的に生活し易いのは良い事です。
FIRE環境の日米差から思うこと
このようにFIRE生活を送るうえで日本が恵まれているとは思います。
日本居住者が日本の環境を享受するのは当たり前ゆえ、きっと「だから何だ!」と思われるかもしれません。
これを取り上げた理由は、FIRE生活を日本で送るうえでも自国の制度や文化の強み・弱みを理解したほうがより感謝を持ったり自国の状態に正しい批判をできるというものです。
基本、日本もイケてない点が沢山ありますが、ひとたびFIRE生活をするという意味あいではかなり恵まれているとは思います。
資本主義が日本より行き過ぎ感のあるアメリカは上手く資産形成するのが良い土地かもしれませんし、そんなアメリカと比較するとやや社会主義的?なこの日本の状態だと資産形成は難がある一方でひとたびFIREすると良い環境だとも思えます。
終わりに
以上、個人的な観点ですが、アメリカより日本のほうがFIRE生活の環境は恵まれていて、低い生活コストで快適なFIRE生活を送れるということを綴りました。
その理由は、①生活費が比較的低い、②医療費が安い、③公共交通機関が発達している、④社会保障制度が充実している、⑤社会保障制度が充実している、というものです。
まあ何かと国の政策には疑問もあるなかでここ(低いコストで快適にFIRE生活ができる)だけを取り上げればまだ世界的には「まし」なのかもしれません。
インフレだってどの国でも起きている問題ですし、高齢化の問題も、国の安全保障や紛争という意味でも日本は特別に不安定でも不運でもありません。
文句を言えばきりがないわけで、こうして恵まれた国に生まれてきたのはラッキーなのだと思いながら、この師走を穏やかに送ろうとは思います。
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