十分な資産を築き、経済的な問題もなく、仕事も辞めたいと思っているのに、なぜか決断できない人がいます。
僕自身、早期リタイア(FIRE)の経験者として、その不安や必要な解決ステップは十分に理解しているつもりです。
結論として思うのは「精神面や価値観の準備が不足している」ということです。
そこで今日は、以下の通り、準備不足がどこにあるのかを「早期リタイアに至る3つのステップ」として整理してみます。
ステップ1: 価値観を明確にする
FIREの本質は「自分が本当に大切にしたいものに時間とエネルギーを注ぐこと」にあります。
しかし、それが明確でなければ、FIREは単なる「仕事を辞める行為」に終わりかねません。
そこでまず、自分に以下の質問を投げかけてみてください。
・仕事以外で、自分の人生に意味を与えるものは何か?
・お金以外で、どんな豊かさを求めているのか?
・最期の時に、振り返りたい人生はどんなものか?
これらの問いに自分なりの回答(あるいは仮説)がなければまだまだ掘り下げ方に不足があると思うのです。
やはり価値観を明確にすることは、FIRE道(自分らしい生き方)への第一歩です。
ステップ2: 価値観に基づいた未来ビジョン
価値観が明確になっても、それに基づいた未来のビジョンを具体化できなければ、FIRE後の生活は漠然とした不安に包まれてしまいます。
特に「新しい道を歩む」ことへの不安や、現状維持バイアス、変化に対する社会的な不寛容さで「今のままでいよう」と現状にとどまる選択をもって正当化しやすい背景があります。
その不安を払拭するには、価値観に基づいて「自由な時間をどう使いたいか」を想像し、具体化することです。
例えば、以下のような行動をリストアップしたらどうでしょうか。
・趣味に没頭するとしたら何か?
・新しいスキルを学ぶとしたら何か?
・家族や地域社会とのつながりを深めるとしたら何か?
これらは早期リタイアをする前においても試験的にやれることでもあります。
小さな挑戦を試すことで、仕事以外での自分の可能性や願望を探ることも有効です。
やがて早期リタイア後の人生が希望に満ちたものとして見えてくればこのステップ2も突破です。
ステップ3: 自分を信じる力(覚悟)
そして最後に必要なものが覚悟です。
いくら価値観が明確になり、未来のビジョンを具体化できても、「本当にできるだろうか?」という不安があるとFIREの決断を妨げてしまうからです。
特に、これまで仕事で努力を積み重ねてきた人ほど「社会のレールを外れることで浮いてしまうのではないか」といった社会的な観点で不安に思います。
あるいは「これまでの努力で築いた地位を捨てるのがもったいない、怖い」といった個人的な観点でリグレットトラップ(後悔の罠、後悔したくないという脅迫観念)を持ちがちです。
この壁を乗り越えるには「自分を信じる力」という「覚悟」しかありません。
実際のところ、仕事で培ってきたスキルや経験、人脈だってリタイア後も活用できますし、新しい生活を楽しむ力や適応力は、環境が変わっても、案外、発揮できるものです。
そんな「自分はやっていけるはずだ」と信じる力(覚悟)は欠かせません。
終わりに
以上、お金も意欲もあるのに早期リタイアを決断できない人にとって必要なものは「価値観の明確化」「未来のビジョンの具体化」「自分を信じる力」という3ステップです。
これを順序立てて見つめ直すことで早期リタイアを決断する道が切り開けると思います。
なお、悩むことも決して無駄ではありません。なぜなら悩むことそのものも、自分に向き合う大事な機会だからです。
悩んだ先に、最後の最後、拠り所としてぱぁーっと光が見えてくるはずです。
僕にとってはこの問いから光が差し込みました。
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