FIRE生活を長期的に安定させる3つの資産管理指標

2025-01-02

資産額

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FIREをした後は資産運用や預貯金の取り崩しによって生活を支えます。

そうした変動する保有資産を効率的に管理する方法なくして、FIRE生活を長期的に安定させることはできません。

ですが問題は「資産は幾つもの単位や測り方がある」といった複雑性です。

リタイア以降、ベストな資産管理方法を模索してきたなかで僕が辿り着いたのは「3つの指標で資産管理する」やり方です。

その3つは「総資産・純資産・金融資産」です。

今日はこうした資産管理指標の役割と目的を綴ります。

総資産・純資産・金融資産の定義

各指標の定義を図と共に簡単に記述します。

なお株式投資等は全て現物取引で、不動産は自己所有と投資用物件などを借入金(ローン)で所有しています。資産には「自宅」も含めている理由は後述します。

総資産

保有する全て(現預金、株式、債券、不動産等)の資産総額(図の左端)です。

つの資産で構成され、①金融資産(青色部分=現金、株式、債券、保険等の時価評価)、②現物資産(黄色部分=不動産、時計、金など売却し現金化できるものの時価評価)です。

これは僕にとって「FIRE生活の出口での財務実力」を示します(後述)。

純資産

総資産から③負債(住宅ローン等の借入)を差し引いた金額です。

よって、①金融資産と、②現物の実質資産(実質資産=評価額-借入金)の合計です。

これは僕にとって「FIRE生活の今の財務実力」を示します(後述)。

金融資産

①の、現預金や株式、債券、投資信託など流動性が高い資産の金額です。

これは僕にとって「FIRE生活の原動力」を示します(後述)。

3つの資産指標の使い分け

以上の3つの指標をFIRE生活でいかに使い分けているかは以下の通りです。

金融資産:FIRE生活の原動力

前述の通り、金融資産は僕にとって「FIRE生活の原動力」です。

金融資産によってFIRE生活の生計を立てているということです。

それを長期的に安定させるため、僕の場合、いわゆるFIREの「年間生活費の25倍」というルールとは違った独自のもので取り組んでいます。

それは「65歳までに必要な取り崩し総額を65歳までに稼ぐ」といった「65歳を中間地点に、そこで収支均衡する戦略」です。

なぜなら65歳以降は「年間資産所得>年間支出」となるので、65歳までを収支均衡で横ばいに推移すれば(あるいは目減りしても安全資産を下回らなければ)良いわけです。

その年間支出の具体額はかなり強気(大きい)設定にしています。

なにしろ現役時代の凝り固まった”お金を使えない貧乏性”という節約心を破壊することが必要で、そのためにも「頑張って趣味や習い事に使わないと使い切れない」という大きめの支出額をあえて設定しているからです。

毎月の支出額=(生活費+ゆとり費)=〇〇万円(非公開)で、(生活費:ゆとり費=1:1)が目安です。

実際に2024年の上半期はゆとり比率が50%以上の運用で、それが生活に豊かさを吹き込むことにもつながっています。

FIRE後の生活費とゆとり費(2024年上半期)

純資産:FIRE生活の財務実力値

純資産は「FIRE生活の今の財務実力」を示します。

金融資産でFIER生活を支えられるので、金融資産以外、つまり固定資産(自宅の不動産ならびに投資用不動産等)は生活にとっては「おまけ」の追加資産なる存在です。

資産を分散させる方法を取るので、金融資産とは種別の違う「不動産」という形で持っているわけで、そこには投資用のみならず自宅の不動産価格も含めています。

僕はこの通り自宅不動産も資産の1種として資産に参入していますが、人によっては「自宅を資産と考えるのは嫌」とか「資産価値より家族の居心地」と考えて、自宅を資産としてカウントしない人もいるのは否定はしません。

ただ自宅といっても自分もいつか亡くなるわけで、すると相続しても子供が住むとは限りませんし、処分するとなればそれは幾らになるか?といった資産価値が問われます。

なので長期的に「現金化し易い人気エリアの住宅用物件」という資産価値を意識して購入してきました。

もちろん「持家か賃貸か」の議論はありますが、今回はこれがテーマではありませんので割愛します。

総資産:FIRE生活の出口での財務実力値

総資産は「FIRE生活の出口での財務実力」を示しています。

なぜ「出口」かというとそれが相続額になるからです。

金融資産で自分の生活を維持できるようにしているので、金融資産以外(自宅や投資用不動産)は亡くなるまで処分しなくても良い資産です。

そんな不動産はローンを返済中ゆえ、今は「物件評価額からローン残高を差し引いたものが純資産」でありそれが今の「FIRE生活の財務実力値」です。

ですがもし自分が亡くなればローン返済は不要となります(団信契約)。

つまり亡くなると同時に負債がなくなるので、純資産+負債額=総資産*となり、総資産=相続対象額として子供に資産移転するからです。*説明上、諸経費や税は考慮していません

それが自分の出口(資産処分であり相続)となります。

結論:FIRE生活の長期的安定での優先順位

以上を踏まえると、FIRE生活を長期的に安定させるうえで自分の優先順位は明白です。

①向こう1年の支出額:金融資産(流動性高い現預金、満期近い商品)より充当

②65歳までの支出額:金融資産(その他の株、投資信託、債券、ほか満期遠い商品)で充当

③出口(相続)での資産移転:上記金融資産の残りと不動産等(負債額なし)の総資産

という順番です。

終わりに

以上、FIRE生活を長期的に安定させるという観点で3つの資産管理の指標(総資産、純資産、金融資産)を触れました。

資産が変化しても自分が確認すべきは、

・「金融資産」で65歳までのFIRE生活を支える

・「純資産」でFIRE生活の財務基盤の実力値を知っておく

・「総資産」でFIRE生活の出口(相続)の実力値を知っておく

をすることで、これを月次分析で定点観測していってます。

どうせ生きていくなかで各項目は変化しますし、そんな変化に一喜一憂していてもしょうがありません。

最悪、金融資産で不足するなら不動産売却して金融資産に変えたり、金融資産が多ければ不動産に変えて相続上有利にするとか、変化に合わせてアセットバランスを変えるだけのテクニカルな対応をしていれば、お金にとらわれる生活を送ることもありません。

誰もがご自身に合った資産管理が何か、きっと模索されていると思いますが、僕にとってはこのアプローチが落としどころになったということをシェアしますので、何かの参考になれば幸いです。


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自己紹介

2022年3末に完全リタイア。FIREの自由で創る”自分らしいセカンドライフ” としてFIRE-Driven Lifestyle Innovationをテーマに、日々の気づきや経験を発信して精神的に豊かなFIREを応援します。
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