FIRE(経済的自立と早期リタイア)を達成すると、仕事に縛られない自由な時間が手に入ります。
ですがその一方で「FIRE後に暇すぎてしんどくなるのでは?」という不安を持つ人もいます。
実際に、「FIREしたらやることがなくなった」「時間を持て余して虚無感を感じる」といった意見も見かけることがあるので、FIRE後に「暇なのがしんどい」と感じる人はいるのだと思います。
今日は、FIRE後に「暇なのがしんどくなる」について自分の見解を綴ります。
FIRE後に暇がしんどくなる理由
FIRE後に暇でしんどいといった主張をみていると、概ね、次のような要因があるのだと思います。
仕事という「やるべきこと」がなくなり充実感が減る
仕事はストレスではありますが、同時に「達成感」や「社会的な役割」も提供しています。FIRE後にそれがなくなると充実感を得にくくなるということで「暇だ」というものです。
毎日が休日のようになり、ルーティンがなくなる
仕事があると一定のリズムが生まれますがFIRE後は「今日、何をしてもいい」といった類ティンの無い自由を持て余し、その結果、暇でしんどということもあります。周囲が忙しくしているのに、自分だけ暇に感じる
友人や同期が働いている中で自分だけが仕事をしていないと「社会から取り残された」という気分になる人もいます。こうした場合も「暇であることが罪」であり「自分が退化する」と感じるのかもしれません。趣味ややりたいことが特にない人は、本当に暇を持て余す
「FIREをしたら旅行や趣味を楽しむ」と思っていても、いざFIREすると「毎日が休日」になり「いつでもできる」とやりたいことを先延ばしにしたりします。結果、何もやらずに暇を持て余す人もいます。以上が「FIRE後に暇を持て余してしんどい」と感じるケースだと思われます。
FIRE後に「暇がしんどい」と感じるかどうかは人による
ですが本当にFIRE後は暇なのでしょうか?
なぜなら一方で、FIRE後、「暇どころかかえって忙しい」という人も多くいます。
僕もこちらの「FIRE後は、案外、忙しくなるぞ」派で、次のような点があるのだと思います。
FIRE前から趣味や興味が広い
もともと仕事以外の活動(投資、スポーツ、旅行、学習等)が日常の一部になっていて、FIRE後もやることに困らずむしろ「時間が足りない」と感じるパターンです。新しいことを学ぶ意欲がある
FIRE後、資格を取ったり、学び直しをしたりという人も暇を感じにくくなると思います。
学びには年齢も制限もないので、学ぶ意欲があれば時間を持て余すことはないと思います。
人とのつながりを維持している
また、仕事以外のコミュニティとして趣味の仲間や地域のボランティア活動など、何らの形で自分が属するコミュニティーがあって、孤独や暇を感じることもないというものです。そもそも「暇」を楽しめるタイプ
人によっては「何もしない時間が最高の贅沢」と思う人もいます。自分のペースで読書をしたり散歩を楽しんだり、とにかく「何かを達成しないといけない」といった感覚を捨ててのんびり過ごすこと自体を楽しめる人です。
以上の通り、FIRE後に暇を持て余すかどうかは、その人の性格やFIRE前の準備に大きく左右されると思います。
暇は悪いことではない
では、暇を持て余すのは悪い事なのか?
そう考えると、案外、マイナスはないと思います。
実際、暇な時間があるというのは、自分の意思で「何をするか?」を決められることです。
仕事に追われているサラリーマンなら、暇な状態すらない人も多いと思います。
そうした状況の人にとってはたとえFIREをして暇と感じても、それは自由がある(=人生の選択を自分でできる)状態なわけです。
また、暇があることで新しい趣味や学びに目を向けるきっかけをみつけたりします。
そう考えると、「暇は悪」という感覚そのものが、どこかサラリーマン脳の「暇ではいけない」を感じてしまうぐらいです。
なお、「暇なのがしんどい」を気にする人はFIREをしても暇すぎてサラリーマンに戻る(FIRE卒業する)のではというリスクから問題意識を持っているのかもしれません。
その場合、僕が「暇」よりもリスクがあると思うのが「退屈」であり「窮屈」で、これは以前、記事にもしました。暇なく日々を過ごすFIRE生活でも、そのルーティンが単調かすると「退屈」と思い、少しばかり刺激が欲しくなったりはします。でもそれが「サラリーマンに戻る」となるものではありません。
終わりに
以上、FIRE後に暇でしんどいと感じるか否かはその人の性格や暇との向き合い方で変わりますし、次の2パターンになります。
①「暇=自由」と考える人 → FIRE後を楽しめる
②「暇=退屈」と考える人 → FIRE後に虚無感を感じる
ただ、たとえ②のように退屈であり虚無感を感じも、暇な時間があることは「人生の選択肢が増えた証拠」であり新しいものごとに出会って刺激を受ける可能性もあるわけです。
サラリーマンの頃に暇すら感じる余裕がない状態からみれば、なんとも、贅沢な悩みであり、また、何か新しいことを広げていくチャンスでもあるわけです。
なので決して「FIREすると暇になるからFIREせずに仕事を続けよう」といった短絡的な判断で片づけず、少しばかり「暇とは何か」を考えることは勧めます。