FIRE(経済的自立と早期リタイア)を達成すると、仕事の制約がなくなって自由な時間が手に入ります。
しかしその一方で「FIRE後にやりたいことがなくなった」とか「何をしていいかわからない」と感じる人もいます。
するとせっかくのFIRE生活も、その質を大きく下げる危険性があります。
そこで「やりたいことがない」というパターンをFIRE前後での「やりたいことの変化」に着目し、次の4つに分類しました。
①FIRE前はやりたいことがあった → FIRE後になくなる = 虚無感
②FIRE前はやりたいことがあった → FIRE後も更に増えた = 充実
③FIRE前はやりたいことがない → FIRE後は沢山できた = 発見
④FIRE前はやりたいことがない → FIRE後も無いまま = 無気力
今日はこの分類を綴りつつ、とくに危険パターンである「虚無感パターン(①)」と「無気力パターン④」は解決策を考えました。
虚無感パターン(①)
虚無感パターンは、FIRE前は「やりたいことがたくさんある!」と思っていたのに、FIRE後は「思ったほど楽しくない」とか「何をしても満たされない」と感じるケースです。
すると「せっかくFIREしたのに、何のためだったのか?」といった後悔や虚無感につながることがあります。
なぜそうなるのか?
① FIRE達成がゴールになっていた(その後のビジョンがない)
② 仕事があったからこそやりたいことに価値を感じた(例えば「あちこち旅行に行きたい!」と思っていた人がいざFIREして自由に旅行できるようになると特別感を失う)
③行動するエネルギーが低下(仕事では強制的に動く必要があったがFIRE後は「いつでもできる」となって行動を先延ばししがち)
解決策
① 小さな目標を作る(FIRE後は強制的なスケジュールがないので自己設定が重要)
② やる気が起きないときはとりあえず始める(考えすぎず動いてみる)
③ やりたいことを増やすのではなく、深める(飽きたら違うアプローチを試す)
充実パターン(②)
なぜそうなるのか?
① FIREによって「制約」がなくなって新しいことに挑戦しやすくなった
② 興味の対象が次々に広がる性格の人とFIREは相性が良い
③ やることに制約がないからこそ逆に計画的に動く
注意点
このケースでは、やることが増えすぎて「結局何もできていない」という中途半端にならないように注意することが必要です。
そのために優先順位をつける(年齢や体力で制限があるなどは先に取り掛かかる等)が良いと思います。
発見パターン(③)
なぜそうなるのか?
① 仕事に時間を取られすぎていて自分の興味に気づいていなかった
② 新しいことを試すうちにどんどん興味が広がった
注意点
このケースも充実パターン(②)と同様で、やりたいことが増えすぎて「結局何もできていない」が要注意です。
無気力パターン(④)
無気力パターンは、FIRE前から「特にやりたいことがない」と感じていた人が、FIRE後も同じ状態が続くと無気力になり人生の充実感が大きく低下するケースです。
この状態が続くと、「FIREしたのに何もする気が起きない…」といった自己嫌悪や孤独感につながることがある。
なぜそうなるのか?
① FIREに強い期待を抱きすぎていた(会社から解放されればラクになる、自由があれば楽しくなると思っていたが期待するほどメリットを感じない)
② 自己決定する習慣がなかった(仕事がなくなると自分で決めることが求められるがそれに慣れていない)
③ 社会との接点が少なくなり刺激が減る
解決策
① とにかく色々試すことで興味を見つける
② 社会との交流や関係を深める(家族友人や外部のコミュニティに積極的に交わる)
③ ルーティンを作り「とりあえず動く」という習慣をつける
終わりに
以上の通り、FIRE後に「やりたいことがなくなる」人もいれば「やりたいことが増える」人もいます。
そのなかで危険なのは「虚無感パターン(FIRE前からやりたいことがないまま)」と「無気力パターン(FIRE前はやりたいことがあったがやりたいことが無くなってしまった)」の2つです。
どちらも放置すると人生の充実感が低下し、せっかくのFIREが「つまらないもの」になってしまいます。
「FIRE後の目標やビジョンを持て」なんて大袈裟なことではなく、面白そうな本を見つけたら読んでみたり、映画を見たら関連することを調べたり、散歩中に気になったカフェがあれば入って観察するなど、自分の「意思」を認識し、小さな行動を増やすことが大切だと思います。