FIREの必要額は幾ら?が愚問と思う件

2025-02-06

経済的自由・FIRE

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「FIREするのに必要な金額はいくらですか?」という質問を見かけることがあります。

ですがそのたびに、正直、「なぜそんな馬鹿なことを聞くのか?」と思ってしまいます。

だってFIREの必要額はシンプルで、働いない生活を送る以上、「残り人生の生活費 - 残り人生の期待収入(公的年金等)」の差分です。その差分が自分が準備すべき必要額です。

愚問と思える理由は、それは「自身の生活に関わることで他人に自分の必要額を教えてもらう内容でもない」からです。例えるなら「僕にちょうどいい食事の量ってどれくらいですか?」と聞くようなものです。

ただ、そう捉えると愚問ではありますが、実はもっと違う側面やトレンドがそこにあるのだと思います。

今日はそれを綴ります。

計算が面倒 or わからない

FIREの必要額を聞く人の多くは、「そもそも生活費をどう見積もるか」が分かっていないか、いちいち計算するのが面倒なのだと思います。

例えば「毎月の手取と手残りとから逆算すれば、「手取り-手残り≒生活費」と推測できますし、例えば約月30万円だ」とわかります。

収入(年金)についても調べればわかるのでしょうけど、あまり老後やFIREのことを考えていない人は無頓着かもしれません。

するとそれら面倒なことをスキップして、自分と似た属性の人に「で、所要額は幾ら?」と聞いてしまうのかもしれません。

これは自分で考えるべき前提条件や生活収支をイメージできない、あるいはイメージするのも難しい、という意図からの漠然として興味本位での質問のケースです。

隠れたコストやリスクを考慮できていない

もう一つの理由は、ある程度の生涯の生活収支はわかっていながらも「FIRE後の隠れたコストやリスクを見落としていないか?」という不安から来るものです。

というのはリタイアすると社会保険料も変わったり、将来の医療費や介護費など、なかなか不透明で想像もつかないことをいずれ迎えます。

すると、突発的な医療費、家の修繕費、親の介護費、さらには税制変更の影響、インフレなど、考慮すべき要素が多いのは事実です。

このような隠れたコストやリスクの見落としを防ぐために、本当は「FIREに必要な額」ではなく、「隠れたコストやリスクをどう考えればいいか?」を聞くべきところ、質問の仕方が間違っていて、「FIREの所要額は?」となるのかもしれません。

世間の目安が知りたいだけの人もいる

あるいは中には、「自分の考えたFIRE必要額がどの程度のポジションにいるかを知りたい」という人もいるかもしれません。

要するに「他人のFIRE達成額と比較して安心をしたい」とか「世間のリタイア時の所有資産の相場を知っておきたい」という動機です。

もちろんこれだって前提条件が変わればまるで違うのは明白ですが、とはいえ世間でどの程度か?という興味です。

この場合の質問の意図はきっと「FIRE達成者の事例が知りたい」とか「一般的なリタイア時の年齢と保有資産額の統計データがあるか?」と聞くべきかもしれません。

何を聞くべきかを整理しよう

以上を踏まえると、もし自分のFIRE所要額を人に聞いてそれを準備しようという、ある意味、そもそもの「自己責任」の感覚が無い場合は「愚問」となりますが、そうではなく、

①計算方法が分からない場合 → 「FIREの生活費の見積もり方を知りたい」と聞くべき

②FIRE後の隠れたリスクが気になる場合 → 「FIRE後に想定外の出費は何がある?」と聞くべき

③世間のFIRE時の所要額の目安を知りたい → 「FIRE達成者の事例やリタイア資金の統計データを知りたい」と聞くべき、

と自分の課題を整理すべきだと思います。それは愚問ではなく重要な疑問です。

終わりに

やはりFIREは自分の人生に関わる問題であり自己責任になるわけです。

そうした自覚があれば、自ずと真剣に考えるのが自然ですし、真剣に考えればFIRE必要額の計算式は単純であることは直ちにわかるはずです。

それでも「FIREの必要額」といった質問が多く出てくるのは、たまたま課題を整理できておらず質問が乱暴なだけか、あるいはFIREの興味初心者が増えたのかもしれません。

そんな質問の多さでもって「FIRE」というすそ野が広がっているのかもといった想像を、この質問の背景から想像しています。


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自己紹介

2022年3末に完全リタイア。FIREの自由で創る”自分らしいセカンドライフ” としてFIRE-Driven Lifestyle Innovationをテーマに、日々の気づきや経験を発信して精神的に豊かなFIREを応援します。
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