FIRE(経済的自立と早期リタイア)に関し、世間では「自己管理が難しい」といったデメリットなる主張が多くみられます。
その理由として「会社の規律がなくなると生活リズムが崩れる」とか「自由な時間が多すぎて、何をすればいいかわからない」といったことです。
ですがこれは本当にFIREの本質的なデメリットでしょうか?
そこで今日は、こうした「FIRE後は自己管理が難しい」とするデメリットは主張として無理があることと、僕は逆に「自己管理がやり易い」というメリットとして捉えていることを綴ります。「FIRE後の自己管理が難しい」という理由
FIRE後の自己管理の難しさについは以下の見解が世間で指摘されています。
・会社という外部の管理がなくなると、自分で時間をコントロールするのが難しい
・やるべきことが決まっていないため、ダラダラしやすくなる
・社会との接点が減り、生活のリズムが崩れやすい
・目標がないと、モチベーションが維持できなくなる
またある調査では「FIRE後に生活の充実度が低下した」と感じる人の多くが「何をするか決められない」を理由に挙げていました。
こうした点で、「FIRE後は自己管理が大変になる」と言われるのでしょう。
ですが僕が思うのは「自己管理が難しさは(FIREというより)人それぞれ、年齢や社会経験などの個人差が大きいと捉えています。
若いうちは比較的誰もが目先の欲求に惑わされ、計画的に物事を進めるのが苦手です。
それが社会経験を経ることで、自然と自己管理能力が身についていくものです。
自己管理の難しさは年齢や経験で変わる
例えば、僕もそうでしたが、子供の頃は親から「勉強しなさい」と言われても机に向かわずにテレビやマンガに興じていました。子供の頃から自分で管理する能力がある人は少数派だと思います。
成人(大学生)の頃もさほど変わりませんでした。
1人暮らしの日々が楽しすぎて炊飯器のご飯を数カ月放置してしまったこともあります。
ある日、恐々、「開ける」のボタンを押すと何やら白い煙がモコっと出てきて浦島太郎の気分になったわけですが、お釜の中は白い菌が糸状に張り巡らされていてすごいものでした。
ここまでズボラだったわけですが、数年後、サラリーマンとして仕事を始めたら、すっかりこうしたズボラさは抜けました。
そうした自己管理能力が出てきたのは次のような仕事環境での習慣によるものです。
・やるべきことを先にやる(納期や締め切りに追われる経験)
・気分に左右されずに行動する(サボりたい心を制する経験)
・朝決まった時間に起きて通勤する(体のリズムが整う習慣)
こうした習慣の結果、FIREをしても「ダラダラしてしまう」とか「何をすればいいかわからない」という事態はなりにくいものです。
やはり、自分の持つ「自己管理能力」は、年齢であったり環境によって引き出されたり定着するのだと思います。
自己管理ができればFIRE後も崩れない
では、そうした自己管理能力が備わった人は、FIRE後はどうなるのか?
確かにFIRE直後は大きな解放感があり、一時的な怠惰な生活は送りました。
会社員時代のような「毎日決まった時間に出勤する」が無くなるので、その解放感であり喜びを嚙みしめるよう、僕はひたすら寝るだけの日々を過ごして惰眠をむさぼりました。
あるいは昼飲みをして午後から夜まで寝てしまった結果、深夜に行動したりと、心身とも健康とは言えない過ごし方を一時的ですがしていました。
ですがそうした解放感を一通り味わうと、今度は体調に合わせて程よく起床したり、眠くなればいつでも寝たりで、ある種の「規則正しさ」を維持できます。
ある一定の時間に何かをするといった「時間固定の生活リズム」というより、一定の体調を保ち続けるよう疲れていれば多く寝るし体調が良ければ短時間睡眠もある、そんな「体調固定の生活リズム」をするというものです。
結果、生活ルーティンは不規則で気まぐれに見えるかもしれませんが、実はやるべきことは確実にこなせる心身の健康レベルや意欲レベルを維持した自己管理ができています。
FIRE後は生活の最適化すら実現する
この、解放感のあとFIRE生活がノーマルペースとなれば、そこから「生活リズムや生活品質を自分なりに最適化して維持する」を実現できます。
生活品質というのは、掃除・洗濯・料理・買い物などの面でいけば、サラリーマンの頃は疲れた中で半ばイヤイヤとかダラダラして取り掛かりましたが、今は頭も体も使って集中して要領よくやるようになるということです。
掃除や洗濯や料理など、YOUTUBEなどをみてその道のプロの助言も参考にしたり、またジムも毎日通い続け、結果、健康状態はサラリーマンの頃よりもかなり良くなるのです。
こうしたことは、「FIRE後は自己管理が難しい」というのとは真逆で「自分にとって最適な生活リズムや生活品質を作っている」と思います。
今のリタイア生活のルーティンは、決して毎日定時に同じことを繰り返す生活リズムではありませんが、自分の体調を中心に据えて睡眠や休息を取るので、結果、リズムが崩れている感覚もなければ、健康を害することもなく、日々のモチベーションも高い状態です。
FIREの「自己管理が難しい」の結論
以上、FIRE後に「自己管理が難しくなる」というのは、どうも本質的で的をえた指摘ではないと思います。
なぜなら「自己管理が難しくなる」と言うのは、そもそも「自己管理が苦手な人にはFIRE後の自由を扱うのは難しい」という話だからです。
まとめると、
・自己管理能力があれば、FIRE後にそれが崩れることはない
・生活リズムが崩れるのではなく、体調や気分に合わせて最適化していける
・自由な時間が増えても、やるべきことはしっかりこなしている
といったFIRE生活を送れます。
終わりに
以上、世間では「FIREすると自己管理が難しい」というのが定説のようになっていますが、それは誤解(因果関係が逆だ)と述べてきました。
「FIREをした→自己管理が難しくなる」という因果関係ではありません。
「自己管理ができない→FIRE後は更に自己管理ができなくなる」であり、また、
「自己管理ができる人→FIRE後は更に自分最適に心身とも健康」になります。
よって大事なことは、FIREをする前に「自己管理能力を身につけているかどうか」をしっかり自己分析することです。
自己管理がそこそこできるなら、自信をもってFIREをして、自由を自己最適化に充てることで生活の質も高まります。
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