お金の意味(価値)は人生のステージごとに変わります。
僕自身、20代から50代にかけてお金に対する考え方が4段階で変化しました。
①20代:お金=成功の証(承認欲求) → 収入でしか自分の価値を測れない。
②30代:お金=家族の安定(守る力) → 家計を支え、責任を負うことを優先。
③40代:お金=選択肢(未来の準備) → 投資や資産形成を真剣に考え始める。
④50代:お金=自由(自己実現) → FIREして本来の生きたい生き方に変えた。
今日はそのなかで、20代の自分に今の自分から何を伝えたいかを綴ります。
結論としては、お金の意味(価値)は人生で何度も変わるし、変わると知っていれば無駄な焦りや不安を抱かず、そのステージで必要なことに最適投資できる とアドバイスしたいです。
20代:収入を得ると世界観が変わった
就職するときにお金(給与)の優先順位は2番目でした。それより優先したのは「やりがい」です。
でもこれは前向きな意味ではなく「どうせ働くなら、少しでもやりたい仕事でなければ、いくらお金(年収)が良くても続かない」という消去法のような感覚です。
なにしろ「楽園の大学生活」から「働くだけの会社員」という地獄参りなわけです。
ですがいざ働きだして収入を得ると、今度は「年収」という数字を強く意識するようになりました。
それは、お金の意味が 「自分がいくら稼げる人間か?」という承認の手段 になっていたからです。
お金が承認欲求と変化するきっかけ
お金が自分の承認欲求へと変化するきっかけは、社会人として「底辺に立ったこと」がきっかけです。就職すると、ゆるくて競争のない大学同窓生の「横並びの立ち位置」から状況は一変し「底辺にいる自分」になります。
職場でも最も若造ですし、仕事で結果が出せるわけでもありません。
自分の給与分もまだ稼げず上司からも「給与泥棒と一緒なのだからせめて挨拶、礼儀、気配りぐらいはしろ」と叱責されるのです。
なので、
・誰よりも朝早く出社する
・全員の机を拭いておく
・業務中に上司や先輩から呼ばれたら走っていく
・上司や先輩が自分の席に立ち寄って話し出したら着席せずに立ち上がる
といった100箇条なる習慣や行動規範を自分に強いるわけです(当時はそんな時代でした)。
そして、自分より能力も学歴も実績もある先輩や同期から取り残されないよう、誰よりも猛烈に働くしかありません。
でもこれは、劣等感や不安の裏返しでしかありませんが、これがやがて形を変えて、お金=成功の証(承認欲求)と定着するきかっけになってしまいました。
お金が承認欲求と定着する構図
誰よりも遅くまで残業しながら仕事も覚えているうち、「給与泥棒」と言われない程度に成果も出るようになります。
「あいつは頑張ってる」という主観的な評価加点(今の時代の人事評価では考えられない)も受けて、少しばかり評価が良くなり、収入増につながります。
こうしたプラス評価や収入増を体感すると、収入は自分を承認するわかりやすい評価軸だと思うようになります。
認められたり褒められるとバカは更に猛烈に働いてしまい、仕事が楽しく感じ、お金をより稼ぐことで承認される、そんなスパイラルに更に溺れていくことになります。
今から思えば「稼ぐことで自分の価値を測る」なんて労働の動機は浅はかと思いますし、自分の仕事だって効率的だったわけでもありません。
そんな浅はかさや非効率さはさておき、評価を得てお金を稼ぐことが「何者でもない自分を認めてあげられる唯一の方法」となってしまったのです。
なお、金銭感覚は人生で最も緩い時期でしたがそれでも貯蓄は増えました。多忙ゆえお金を使う時間も限られていたからです。
お金を使う先は、趣味と交際費ばかりでした。
20代の自分へのアドバイス
こうした20代を過ごした自分を今の時代から振り返ると、浅はかでしたがダメだとは思いません。
むしろ、20代だからこそ体は無茶ができるし、仕事で失敗も許されるわけです。
それが20代の特権だと、多少の無理をしてでも働き、収入を増やすことに執着する時期があってもいいと考えます。
いかなる動機であったとしても、結果的に、仕事の基礎を学び、経験を積み、楽しさを感じ、成長できたのは確かです。
また、20代で今も続く旧友との人間関係や趣味にお金を使ったことも正解で、今となってはそれが貴重な投資だった(当時は消費だと思っていた)からです。
ただし、気をつけるべきリスクがあります。
結果的に、僕はその後の人生ステージ(②30代)で家庭など守るものができたことで承認欲求から解放されたわけですが、もし 「稼ぐこと=自己の価値証明」 という考えのまま年を重ねていたら、30代・40代になっても満たされず、際限なく働き続けていたと思います。
終わりに
冒頭に書いたように人生のステージごとにお金の価値が変わる わけで、僕はそんなことをまるで理解もせず、流されるまま猛烈に働いたわけです。
ですがもし20代の段階で、「20代こそ、体力的に無理ができて、失敗も許されて、浅はかな承認欲求で働いてもまだ可愛げあると思われる、そんな人生ステージだ」と理解したうえで働いていたなら、もっと心の余裕も、時間やお金の使い方も賢くできたと思います。
仕事100%とならず、一部は 資産形成や自己投資、幅広い人間関係に使うことをして、30代・40代の選択肢はもっと広がり、より自由な働き方や生き方ができていたと、そんな反省でもあります。
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