FIRE後の生活において、お金との向き合い方が大きく変化しました。
FIRE直後は「資産が減っても本当に大丈夫か?」というお金の不安が最大の課題でした。
その解決のために、以下の 3つのアクション を実施しました。
- 資産推移と資産構成の可視化
- 最悪シナリオのシミュレーション
- 現預金比率の最適化
この取り組みを進める中で、資産管理の目的自体が大きく変化しました。
「お金の不安」から解放され、「お金をいかに有効に使うか」に焦点が移っていったのです。
今回は、この変化がどのように起きたのかを整理したいと思います。
1. FIRE直後の課題:資産が減っても大丈夫か
現役時代の「資産が増える」という状態から、完全リタイア後は「資産を取り崩す」という生活に変わります。
すると最大の関心事は 「資産が本当に減っても大丈夫なのか?」 という不安を克服することに集約されます。
この課題に対し次の3つの対策を講じました。
① 資産推移と資産構成を可視化
資産評価額の増減に振り回されないように、資産推移の月次管理と資産構成の分析(以下)をするようになりました。
・種別(現預金、債券、株式等)、
・リスク別(高~低)、
・通貨別(円、先進国外貨、新興国外貨)、
この分析を踏まえて資産運用の効率化にも力を入れるようになりました。
② 最悪シナリオのシミュレーション
世界的な経済危機が起きた場合、保有資産がどの程度失われるかをシミュレーションしました。
その結果、最悪のケースでは 「資産が62%目減りする」 という試算になりました。
しかし、仮にこの水準まで減少しても FIRE生活には大きな支障がない ことを確認でき、これを経済的な「底」として想定し、最悪の事態にも対応できるよう準備しました。
③ 現預金比率の最適化
また「幾らの現預金を保有すると適性か?」を模索しました。
・現預金が多すぎると遊休資産として投資効率が下がる(資産が増えない)
・現預金が少なすぎると手元資金が不足しいざの出費で困り、心理的不安となる
この検討の結果、現預金(金融資産の21%)を以下の通り振り分けました。
・「リタイア生活防衛費」として必要な現金は金融資産の8%相当
・残り13%が投資可能の現預金(いまは遊休資産)
その記事がこちらです。
遊休資産の活用を考え始めた
上記の3つの対策を進めた結果、ある 大きな意識の変化 が生まれました。
それは 「遊休資産を積極的に活用する」という発想への転換 です。
これまでは 「資産が減ると困る」 という防衛的な考えが中心でしたが、経済危機が起きても 62%の資産が残る ことが分かり、「それなら、遊休資産を"遊び"や新たな挑戦に使っても良いのでは?」と思うようになったのです。
こうして、「資産を守る」という発想から抜け出し、「お金の使い方の最適化」に取り組むフェーズへと移行しました。2. 現在の課題:お金の使い方の最適化
最大リスクを想定した上で生活できることが確認できた今、次の課題は 「お金をどう使えば、より豊かな人生を送れるか?」 へと変わりました。
そこで、新たに 「自由投資予算」 を導入しました。
この決断に至ったのは、FIREから 2年後に2回目の資産毀損シミュレーション を行ったときでした。
その結果、「もっと刺激のある生活にお金を使おう」と判断し、実践に移したのです。
その記事がこちらです。
FIRE直後と現在の変化(まとめ)
以上の経緯を経て、現在は 「遊休資産を活用し、新たな経験や挑戦に投資する」 というスタンスを取っています。
資産管理の目的も、次のように変化しました。
・「資産を守る」→「資産を使って人生の満足度を高める」
また、新たな指標として 「基礎生活費」と「ゆとり費」を分けることで、「ゆとり比率」を測定 する方法も導入しました。
この「ゆとり比率」が高いほど、豊かな生活を送れていると考えています。
終わりに
FIRE直後は、減りゆくお金への不安から資産管理を行っていました。
しかし、様々なシミュレーションや試行錯誤を経て、今は「お金の最適な使い方」を模索するための資産管理へと変化しています。
現在の「自由投資予算」は、いくつかのプロジェクトを始めたばかりです。
今年末までに様々なトライアルを実施し、自分にとって最適な使い方を明確にする予定です。
FIREはゴールではなく、FIRE後の心理状態も どんどん変化する ものです。
この 変化に適応し、柔軟に資産管理の目的を更新していくことが重要 だと感じています。
こうした変化の激しい日々を振り返ると、サラリーマンを続けて変化のない時間を過ごすよりも充実した時間を過ごせていると実感しています。
また、こうした変化の先にどのような発見があるかも楽しみでもあります。
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