「FIREは暇だ」という見解をよく耳にします。
確かに、仕事を辞めると自由時間が大幅に増えますが、「時間が沢山ある」ということだけで「FIREは暇だ」という意味でもない気がします。
というのは、暇に近い感覚として、刺激が無い(退屈)、やるせない(虚無)、やる気が出ない(無気力)、ということも考えられるからです。
そこで今日は、FIRE後に生じる可能性のある「暇」、「退屈」、「虚無」、「無気力」の4つの要素に分け、その違いを明確にしながら「FIREは暇だ」を考えてみました。
暇・退屈・虚無・無気力の定義
まず、FIRE後の「暇」と言われる状態を以下の4つに分けて定義します。
暇: 時間に余裕があり、あえてやるべきことがない状態。ポジティブにもネガティブにもなり得る。
退屈: やることがなく、刺激が少ないためにつまらなく感じる状態。
虚無: 人生の目的や意味を見失い、価値を感じられなくなる状態。
無気力: やる気や意欲が湧かず、何もする気にならない状態。
この4つは密接に関係しており、暇な状態が続くと退屈になり、さらに虚無や無気力へとつながることもあるのだと思います。
個別にみていきます。
1. 暇:時間に余裕がある状態
FIREを達成すると、仕事に縛られなくなるため、当然ながら自由な時間が増えて「暇」と認識します。
この「暇」はポジティブにもネガティブにもなり得ます。
例えば、仕事で大きなストレスを感じていた人がFIREすれば、そんなストレスフリーの生活を過ごしているだけで(あえて目標やら目的やらを掲げなくても)十分に価値ある暇(時間)になります。
一方で、いつも何かを一生懸命にやるべきだ、やるべきことがない状態はイケてない、と思考する人にとっては、時間を持て余して何をすればいいのかわからないとネガティブに感じてしまうでしょう。
2. 退屈:やることがなく刺激がない状態
FIRE後、特に新しい趣味や目標を持たない場合や、毎日が単調なルーティンだと感じたりすると「退屈」と感じることがあります。
仕事があると、タスクや締め切りがあったり、一定の刺激を受けることができますが、FIRE後は自分で生活をデザインして緩急をつけなければなりません。
こうした刺激や変化のない日々への不満が増大すると「退屈」になってしまうのです。
3. 虚無:人生の目的や意味を見失う状態
退屈が続くと、やがて「自分は何のために生きているのか(FIREしているのか)」と考えるようになります。
仕事がアイデンティティの一部だった人や、FIRE後に大きな幸せが訪れると過剰に期待する人ほど、FIRE後に虚無感を覚えやすいと思います。
特に、社会とのつながりが希薄になった場合、自分の存在意義を感じにくくなることがあります(アイデンティティロス)。
4. 無気力:やる気や意欲が低下する状態
FIRE後に無気力になる要因は、仕事で持っていた自分の居場所を失ったり、期待通りのFIRE生活にならないことだけではありません。
健康状態や生活パターンの変化も関係します。
人によっては、FIRE後に引きこもって行動しなかったり、不規則な生活を送ったり、食生活が乱れたりなどで健康を損ない、心身のエネルギーが減少してしまい、気力を失うこともあります。
また、FIRE後に思うような生活を送れないことで虚無を超えてやる気がなくなってしまうというケースです。
終わりに
「FIREは暇」という主張は、単に「時間が増える」という意味では事実ですが、その暇というものがポジティブだったりネガティブだったりします。
そのネガティブな面が「退屈→虚無→無気力」という負の連鎖に陥る可能性があります。
FIREそのものが暇かどうかではなく、自分がこうした暇、退屈、虚無、無気力に対してどのような反応をするかが、やはり分かれ目だとは思います。
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